- なのに今も少しだけ愛しさがあるんだ - 美しいと思いたいだけで 実際はそんな美しいものじゃない 楽しい時間なのに 何かの拍子で嫉妬が顔を覗かせ 優しく抱き寄せたいはずが乱暴にしてしまう 気付けば暴れだしそうな感情と格闘して お前との貴重な1日が終わる 承認欲求なんかなけりゃ どんなに恋はハッピーなんだろうな 会う度に想いは表裏ともに強くなって 俯瞰する余裕もなくなって  張り詰めてく異様な空気に交わす言葉も減って 自然に振る舞えた何気ない  優しさが得体の知れぬ闇と怒りに どんどん覆い尽くされてった  些細なズレに敏感になってピリピリしていた 何処かいつも漂う  喪失の恐怖 お前の中にもあったんだろうか 俺の中にいたそれが 不安を振り払うかのように お前の強張る唇を無理矢理 重ねた  抵抗の涙はずっと焼き付いたまま 理想は尊重 けれど現実は独占だった 「依存だな そのうち何もかも許せなくなる」 ダチに言われて初めて目が覚めた程 良識はバランスを崩し鈍感になってた  口火を切ったのはお前「距離を置きたい…」 張り詰めていた糸がプツっと切れた 見えを切ったのは俺「ごめん…俺も前から考えてたんだ…別れようぜ」 確信のセリフをお前から先に言われてしまう前に逃げたんだ 最後の最後まで思い遣ってやんなかったんだから最低だ 悔いが残った 関係がなくなって随分経つ 家族築き 子を持ち それなりに幸せを歩いてる  なのに今も少しだけ愛しさがあるんだ…バカだろ  いい大人がさ…バカだろ いい加減さ…バカだろ  家族背負ってる男がさ…バッカじゃねぇ 美しいと思いたいだけで 実際はそんな美しいものじゃない いつだって