専門家が科学的調査をするために米国の攻撃を受けたシリア空軍基地に派遣さなければならない ーロシア防衛省
 
Russian Today News 2017年4月8日
https://www.rt.com/news/384042-shayrat-probe-chemical-weapons/
 
 
 ワシントンはシリアのホムス県のシェイラト空軍基地に化学兵器があったという証拠をまだ示していないと、ロシア防衛省は述べている。その空軍基地は、イドリブ県でのいわゆる化学兵器の攻撃の後に、米国の攻撃目標となった所だ。
 
 「米海軍の戦艦から大規模なミサイル攻撃がシェイラト空軍基地になされてから、24時間が過ぎました。米国防省も米国務省もこの基地に化学兵器があったといういかなる証拠も提示していません」と、ロシア防衛相のスポークスマンであるイーゴリ・コナシェヴィッチ少将は声明の中で語った。
 
 多くのマスコミ関係者、地方自治体関係者、消防署員、警察官、シリア軍が、その後その空軍基地を訪れたが、その伝えられている貯蔵装置や化学砲弾は発見されていないと、彼は語った。
 
 「シェイラト空軍基地にいわゆる有毒物質が存在するという客観的証拠を国際社会に提示し受け入れられる唯一の方法は、そこへの専門家の使節団を派遣することである」と、防衛省の声明は述べている。
 
 空軍基地を訪れ作業をしたすべての人たちは、「ガスマスクを着用せず、ごく普通にしか感じられない」と、コナシェヴィッチ少将は述べている。さらに次のようにも付け加えた。「化学兵器禁止機関(OPCW)の専門家は誰でも」、化学薬品が貯蔵されていたならば、「化学薬品の痕跡は何か月何年も隠すことはできないことを知っている」、と。
 
 「だから、次の疑問が出てくる。ワシントンが嫌っている国に化学兵器が存在する
『証拠』として、新しい米国大統領にどのようなことが誰によって再び提示されたのかということだ」と、軍当局者は述べた。そして、イラクの化学兵器の「脅威」についての当時の米国務長官コリン・パウエルの国連での白い粉の小ビンと他の申し立てを思い起こすことを訴えた。
 
 さらに科学的な分析をするためにサンプルを採集する特別な装置が空軍基地で使われるべきであると、防衛省は述べ、さらに以下のことを付け加えた。ロシアは、すでにシリアのアレッポで同じ手順を取っている。アレッポは化学兵器が軍によって使われたと言われているところだ、と。
 
 金曜日の早朝、米国は大統領ドナルド・トランプの命令で空軍基地に59発のトマホークミサイルを発射した。シリアのイドリブ県へのいわゆる化学兵器攻撃に呼応したものだ。子どもを含む多くの民間人が、今月初旬に反政府勢力の占領地域で毒ガスで死亡したと疑われていて、ワシントンはこの事件でシリア政府を非難していた。
 
 トランプ大統領はその空軍基地への攻撃を「ターゲットを絞った軍事攻撃」と呼び、ホムズ県の空軍基地はいわゆる化学ガス攻撃を始めた場所だと主張した。
 
 「シリアが禁止された化学兵器を使用し、化学兵器禁止条約の義務を破ったことは、議論の余地はない」とトランプ大統領は述べた。
 
 ロシアは、米国のミサイル攻撃を非難し、ワシントンの動きは米国がいわゆる化学兵器攻撃への「本当の調査」を恐れていることを示していると述べた。
 
 金曜日の特別国連安全保障理事会で、特命全権公使代理のウラディミール・サフロンコフは次のように述べた。シリア政府は、伝えられる攻撃が起きたイドリブ県の地域を掌握していない。米国は、その事件の本当の調査を「恐れていて」いる。その調査は、ワシントンがアサドの政府をいわゆる化学兵器の攻撃で非難したことが誤りであったことを証明したかもしれなかったからだ、とロシアのその外交官は付け加えた。有罪だと証明されなければその人は無罪と考えられるという原則も無視されたと、彼は付け加えた。